サイバー犯罪・テロが多発するなか、米連邦捜査局(FBI)が、捜査の強力な戦力として欠かせない“善玉ハッカー”を雇うため、採用基準の緩和を検討している。優秀なハッカーの多くにマリフアナの使用歴があるためで、ジェームズ・コミー長官(53)は過去3年以内に使用歴のある者の採用を禁じた基準を見直すと表明した。法を守るFBI長官の発言だけに物議を醸しているが、世界各国の捜査当局や情報機関もハッカーの採用や養成を積極化しており、手をこまねいているわけにはいかない。
面接前も吸いたがる
「サイバー犯罪に対抗するためには優秀な人材を採用する必要があるが、候補者である若者の中には面接試験に来る途中ですら、マリフアナを吸いたがる者がいる」
コミー長官は5月19日にニューヨークで開かれた知能犯罪に関する会合でこう語り、FBIの採用基準の見直しについて、「まさに今、取り組んでいる最中だ」と明言した。
さらに、ある参加者が友人がこの採用基準のためFBIの面接を受けることに二の足を踏んでいると発言すると、長官は「たとえ彼がマリフアナ愛好家であったとしても、採用試験に申し込み、それは受理されるべきだ」と答えた。