東京電力は6月2日、福島第1原発で深刻化した汚染水問題の抜本的な対策「凍土遮水壁」の工事に着手しました。
Q 土を凍らせて壁にするのですか
A そうです。1~4号機の原子炉建屋には、山側から地下水が1日約400トン流れ込み、汚染水となっており、これを食い止めます。4つの建屋を囲むように約1.5キロにわたり、約1550本の配管を地下約30メートルまで打ち込みます。これらに零下約30度の冷却材を循環させ、周りの土壌を地下水とともに凍らせる仕組みです。
Q 期待する効果は
A ほかの汚染水対策と併せると、地下水を約280トン減らせるとされています。建屋の汚染水を少しでも減らし、溶け落ちた燃料の取り出しなど、本来の廃炉作業を進めなければなりません。
Q 大がかりな工事になりそうですね
A これほど大規模な工事は初めてです。前例がないため、当初は原子力規制委員会にも、建設による地盤沈下の恐れなど安全性をめぐる慎重な意見が多くありました。