【韓国旅客船沈没】経過=2014年4月16日~4月22日。※韓国旅客船「セウォル号」の航路=2014年4月16日午前9時ごろ、韓国の旅客船「セウォル」号(乗客乗員計475人に訂正、6825トン)が珍島付近を航行中に遭難信号を発信した。※聯合ニュースによる【拡大】
≪開廷前から大荒れ、遺族ら怒号≫
修学旅行中の高校生ら304人の死者・行方不明者を出した旅客船「セウォル号」沈没事故で、乗客を適切に避難させず救護措置を取らずに脱出したとして殺人などの罪に問われた船長、イ・ジュンソク被告(68)ら乗務員15人の初公判が6月10日、韓国南西部の光州地裁で開かれた。
検察側は船長と、1等航海士、2等航海士、機関長の計4人について、救助せずに逃げて乗客が死んでも構わないという「未必の故意」による殺人罪で起訴。今後は、裁判所がこれを認定するかが焦点となる。
検察側は「被告らは避難命令が遅れれば乗客が溺死すると認識していたのに、船内待機の放送を(部下の乗務員に)指示した」と主張。一方、イ被告の弁護人は「ある程度の過失はあった」としながらも「可能な救護措置は取った」と起訴事実を否定した。また、意見陳述の機会を与えられた被害者遺族の代表は「乗客が死んでもしようがないと考えていたのは明らか」と厳罰を求めた。
光州地裁正面前では、遺族らが被告を非難するプラカードを掲げて抗議。一部は、そのまま法廷に突入しようとして廷吏に制止される一幕もあった。