2015年は、世界の子供たちの未来にとって重要な節目の年になる。9月15日からニューヨークで始まる国連総会で「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が採択されるのだ。
「ポスト2015開発アジェンダ」などとも呼ばれるこの難解な目標は、子供たちの「命」にかかわる目標を数多く設定している。「SDGs」とは、今後15年間に、国際社会が一丸となって達成すべき開発目標を定めたもので、2015年を達成期限としていた「ミレニアム開発目標(MDGs)」の後継目標だ。
「極度の貧困と飢餓の撲滅」「乳幼児死亡率の削減」など8目標を定めたMDGsは、さまざまな課題の中から国際社会が協働で取り組むべき共通のゴールを定めて、政治的意思を集結させたという点で評価される。また、貧困人口の割合の大幅な削減や初等教育の就学率の改善など実際に大きな成果も出た。
しかし、5歳未満の子供や妊産婦の死亡率削減などは改善が見られたものの、目標水準に遠く及ばない課題や、格差の拡大などの課題も数多く残された。