大学卒業後、出版社を経てフリーライターに。小説執筆のきっかけは、友人が書いた小説を読まされたこと。「最初に読まされたものがメチャクチャつまらなかったんです(笑)。とはいえ、ただ批評するだけではフェアでないので、自分も同じ土俵に立たなくては、と思って小説を書くようになりました。受賞をその友人に伝えたら、『つまらない話も書いてみるもんだな』と笑っていました」
穏やかな風貌とは裏腹に、かなりの負けず嫌い。「全員に面白いと言ってもらえるわけはない。きっとレビューサイトには酷評もあるでしょう。今からそれを想像しては、『おのれ~。次はぎゃふんと言わせるぞ!』とメラメラしています(笑)」。その“メラメラ”で、大型新人は、再びブームを巻き起こすか。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■さわむら・いち 1979年、大阪府出身。大阪大卒業。出版社を経て、フリーライターとして活動。2012年から小説の執筆を開始。本作がデビュー作となる。
「ぼぎわんが、来る」(澤村伊智著/KADOKAWA、1728円)