和田塚の前にある案内表示=2016年3月5日、寒川県鎌倉市【拡大】
鎌倉駅を出た江ノ電が最初に止まる和田塚駅は小さな無人駅だ。この駅から由比ケ浜海岸までは630メートル…。
駅の南80メートルには駅名の由来にもなった和田塚がある。鎌倉時代の有力豪族、和田一族の滅亡の地とされる場所で、住宅街の中に石垣と古木がひっそりとたたずむ。
その和田塚から海岸までは550メートル。実は自分で測ったわけではなく、和田塚の前にある案内表示をもとに足し算をすると駅から海岸までの距離になる=写真。
海に出る直前に海浜公園があり、そこで少し迂回(うかい)するが、それでも徒歩7、8分。春らしい気候になり、最近は町歩きを楽しむ人たちの姿もぐっと増えてきた。
もう一回、写真を見ていただこう。和田塚は鎌倉幕府の権力争いのすさまじさを伝える悲運の地。北へ250メートルの六地蔵は江戸時代のランドマークで、「夏草や兵どもが夢の跡」という松尾芭蕉の句碑も残されている。芭蕉がこの地でこの句を詠んだというわけではないが、どことなく夢の跡をしのばせる街角ではある。碑を建てた松尾百遊は江戸時代に鎌倉で旅亭「吾妻屋」を営んでいた人だという。