日本のアニメは世界で受けている。そのキャラクターを使えばキャンペーンは注目を集めるだろう。子供が喜ぶ親しみやすさは上から目線にならない。最近どこでも見かけるキャッチーな言葉を使えば、とりあえず叩かれはしないはずだ。
こう考える日本の企業や団体は多い。2020年東京オリンピック・パラリンピック招致キャンペーンも例外ではない。ドラえもんが大使になっている。
米国のデジタル・マーケティングの専門家であり、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』の共著者であるデビッド・ミーアマン・スコットさんは、このサイトを今年最悪の英文サイトであると自身のブログで酷評している。要旨はこうだ。
ヴィジョンで使われている言葉があまりに陳腐だ。聞き飽きた。「イノベーション」「グローバル・インスピレーション」「ユニーク・ヴァリュー」のどれをとっても対抗馬のイスタンブールやマドリッドの趣旨に組み込んで文章は繋がる。つまり東京の価値がアピールできていない証拠である。だいたいそうした表現は読み手の注意をひかない。
日本に7年間住んだこともあり、奥さんも日本人で東京の素晴らしさはよく分かっている。だが、このサイトは最悪の出来で日本国内向けに考えたコンテンツをそのまま翻訳しているに過ぎない。ドラえもんが日本の子供に人気だからIOC(国際オリンピック委員会)の人たちの関心を掴むとは限らないではないか、とも強調する。
誰へのメッセージなのかが明確ではないというわけだ。