独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は27日、国際海底機構と契約を交わし、日本最東端の南鳥島沖約600キロの公海で海底地層「コバルトリッチクラスト」の独占探査権を取得した。契約期間は15年間。この地層はハイテク機器に用いられるコバルトやニッケルなどレアメタル(希少金属)を多く含んでおり、JOGMECは4月以降に対象海域で埋蔵量の調査に着手する。
探査権の対象は南鳥島沖の6海域で計3000平方キロメートル。JOGMECは資源埋蔵量などの調査を踏まえて開発海域を絞り込み、将来的に採掘権の取得につなげたい考えで、開発技術の研究なども並行して進める。
JOGMECは、2012年に国際海底機構に探査鉱区の申請を行い、昨年7月に承認された。日本はレアメタルなど鉱物資源の大部分を世界各国からの輸入に頼っており、採掘が実現すれば資源の安定供給につながることが期待される。
経済産業省で国際海底機構との調印式を終えた後、JOGMECの河野博文理事長は「日本の資源の安定供給に必ずプラスになる」と強調した。