インドで大気汚染が悪化している。米エール大学環境法・政策センターは、首都ニューデリーの大気汚染は中国の北京よりもさらに深刻だと警鐘を鳴らす。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。
同センターによると、ニューデリーでは今年最初の3週間の大気中微小粒子状物質の平均濃度は前年の同期と比べて44%上昇し、1日の平均濃度は中国・北京の2倍以上という。大気汚染の原因は主に自動車の排ガスや工場の排煙とされ、インド政府は電気自動車の普及など対策を講じている。
しかし、米ノースカロライナ州立大学の調査では、インドの乗用車の42%が電気自動車になっても大気汚染は改善されないと指摘。電気自動車の普及による電力需要の増加で発電に使用される化石燃料が増えるだけだとし、大気汚染に対処するには再生可能エネルギーの推進など、抜本的なエネルギー改革が必要との見方を示した。