インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」をめぐり、世界中に不安が広がっている。世界最大級の取引所「マウントゴックス」(東京)が2月末に経営破綻したのに続き、ブルガリアなどの取引所もサイバー攻撃で一部業務停止に。海外送金の利便性の高さなどが利点だが、中央銀行が管理する通貨と違って信用保証の裏付けが乏しく、「えたいが知れない」(関係者)のも事実だ。匿名性が高いためマネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されやすく、各国は警戒を強めている。“革新的”と存在感を高めてきた仮想通貨は、単なるブームに終わるのか、それとも「未来の通貨」として花開くだろうか。
マウントゴックス、突然“音信不通”の怪
事の発端は2月7日。マウントゴックスが突然、ビットコインの引き出し業務を停止した。同社は当初、「換金注文増に対するシステム障害」とし、復旧作業を急ぐと説明。しかしその後、電話やメールでの問い合わせにも応じなくなり、いきなり取引を停止。利用者の間に不安が広がった。
2月28日、同社は東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。「システムに弱いところがあって、ビットコインがなくなって…」。