フルハイビジョンの約4倍の解像度を示す「4K」の試験放送が6月2日に始まることが23日、明らかになった。次世代放送の実現に向け、総務省が設置した検討会で、放送局やテレビメーカーで構成する「次世代放送推進フォーラム」の事務局側から報告があった。2020年東京五輪に向け、放送サービスの高度化の加速に期待がかかる。
報告によると、4K試験放送はスカパーJSATが使っているCS放送波を借りて、同フォーラムが開設するチャンネルで提供する。当初は1日数時間、各放送局が制作したコンテンツを無料で流す。ジュピターテレコム(JCOM)のほか、全国42のケーブルテレビ局も順次、試験放送を始める。
衛星放送の受信アンテナと4K対応テレビがある家庭であれば、4K放送を受信するためのチューナーをテレビに外付けすることで、その日から高精細な映像を楽しめる。4Kテレビの普及を後押しするため、同フォーラムはパブリックビューイングの実施も検討している。
4Kの本放送開始をめぐっては、日韓両国が世界初の実施を争ってきた。韓国では4月10日、ケーブルテレビ局が本放送を開始しており、日本勢は出遅れた格好だ。