商船三井の船舶差し押さえ 日中ビジネスの歴史軸変化映す (1/3ページ)

2014.5.5 07:00

【ビジネスアイコラム】

 海運大手の商船三井(本社・東京)に所属する鉄鉱石運搬船が、停泊していた中国東部浙江省で裁判所の差し押さえを受けた一件は、同社が約40億円の「供託金」の支払いに応じたことで、強制執行から6日目の4月24日に解決した。

 その後の論調をみていると、「供託金」の納付という形での早期決着が「前例」となって、中国市場に進出した日本企業が新たな訴訟圧力に直面することへの警戒論が根強い。実際のところ、香港の中国系紙「文匯報」や、対日強硬派で鳴る中国紙「環球時報」は、これを機に積極的に対日賠償請求を進めることを是認する社説を相次ぎ掲げている。

 中国当局は、戦時中の「強制連行」問題で、「民間賠償請求」は1972年の日中共同声明で「放棄」したはずの請求権とは「別枠」との立場を鮮明にした。日本としては、請求権問題は「解決済み」とする立場を粘り強く訴えるほかない。

 ところで筆者は、こうした政治、外交問題となる大きなケースの一方で、マスコミからは見逃される日常的な投資トラブルの広がりが気になっている。

「海外進出すればどこでも起きるトラブルだろう」と切り捨てられそうだが…

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