タイでは政治混乱の長期化により、すでに海外からの直接投資について政府認可が遅れている。今回のクーデターによる「市民生活への大きな支障はない」(日本貿易振興機構=ジェトロ)と冷静な対応が目立つが、さらに混乱が長期化すれば、投資マインドの冷え込みは必至だ。
タイ投資庁(BOI)では政治混乱で昨年から投資認可が停滞。ジェトロによると、昨年11月以降、2億5000万バーツ(約7億8000万円)以上の大型投資は認可されていない状況だ。ジェトロでは「新規の大型投資戦略の遅れが進出企業の幅広い業種に影響している」(助川成也企画部事業推進主幹)と分析した上で、「今後はインドネシアなどへ、タイからの投資リスク分散の動きが加速する」とみている。
2013年の日本企業の投資はタイが101億ドル(約1兆円、国際収支ベース)とインドネシアの3倍以上で東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で最大だった。
同国の自動車関連の産業ピラミッドの集積は域内でも群を抜き、2011年のタイ洪水による多大な被害後も投資ブームは続いた。だが、今年1~3月の日本企業の承認ベース投資金額は昨年の約8分の1の水準で、投資激減は避けられない見通しだ。