環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大きなヤマ場を迎える。日米両政府は30日から東京都内で事務レベルの協議を行い、日本の重要農産品5分野の関税などをめぐり着地点を探る。7月3~12日にはカナダのオタワで、日米を含む交渉参加12カ国が交渉官会合を開き、関税や知的財産など難航分野の進展を目指す。政治決着の舞台となる閣僚会合開催にこぎ着けられるかが焦点となる。
日米協議には、日本の大江博首席交渉官代理と米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行が出席。カトラー氏は森健良経済外交担当大使とも会い、日本の自動車市場開放について話し合う。
5月に米国で開かれた事務レベル協議では、重要5分野のうち牛・豚肉の関税の引き下げ幅や引き下げにかける期間、輸入が急増した場合に発動される緊急輸入制限(セーフガード)の扱いなどを議論したが、双方の溝は埋まらなかった。日米とも今回の協議で意見の隔たりを解消し、カナダの交渉官会合での前進につなげたい考えだが、「厳しい状況が続く」(交渉筋)見通しだ。