一方、カナダでの交渉官会合は10日間という異例の長期日程が組まれている。分野ごとの作業部会を開くほか、5日からは事務レベルの協議全体を指揮する首席交渉官による会合も開く予定だ。日本からは鶴岡公二首席交渉官が出席する。
今年に入って12カ国は2月と5月に閣僚会合を開いたが、いずれも大きな前進はなかった。今回の会合では首席レベルで可能な限り交渉を進めて対立点を減らした後、今夏にも閣僚会合を開いて大筋合意に持ち込むことを目指している。
ただ、特許権の保護を含む知的財産や国有企業改革などの難航分野で米国と新興国の対立が解けず、利害関係の複雑な関税協議も「日米以外の国同士もあまり進んでいない」(同)状況という。
日本政府には「今のままだと、閣僚会合の開催が見通せる段階までには到達できないのではないか」(政府高官)と悲観的な見方も浮上している。