政府は12日、麦芽比率などに応じて異なるビール類の酒税を見直し、税率を一本化する方針を固めた。350ミリリットル缶の小売価格に含まれる酒税額を約55円にそろえる。税率の高いビールは減税となる一方、税率が低い発泡酒と第3のビールはそれぞれ増税になる。2015年度与党税制改正大綱で方向性を示し、来夏に具体案をまとめる。
350ミリリットル缶当たりの酒税額は現在、ビール77円、発泡酒47円、第3のビール28円。ビールと発泡酒の税額には30円、ビールと第3のビールには49円の差があり、与党内には「税率格差が販売数量に影響を与え、結果的に酒税の税収減につながっている」(自民党税制調査会幹部)と税率体系を疑問視する声が強まっている。
このため政府は税率格差を段階的に縮小しビール類全体では税収規模が変わらない制度の検討に着手。「ビールを減税し、そのための財源はビール類全体の中で考える」(政府高官)として、350ミリリットル缶当たりの酒税額を55円程度にする方向だ。