ロボットタクシーに乗り込み、完全自動運転を目指す国家戦略特区プロジェクトをアピールする小泉進次郎内閣府政務官(右)と黒岩祐治神奈川県知事=1日、横浜市中区【拡大】
政府は1日、来年初めにも神奈川県で自動運転するタクシーの実証実験を行うと発表した。完全自動走行する社会に向けた国家戦略特区プロジェクトの一環。ディー・エヌ・エー(DeNA)の子会社のロボットタクシー(東京都渋谷区)が神奈川県藤沢市など湘南地区で、乗客を近隣のスーパーまで送迎する実証実験を実施する。
1日、横浜市内で開かれた説明会には、小泉進次郎内閣府政務官や黒岩祐治神奈川県知事が参加した。小泉内閣府政務官は今回のプロジェクトを通じ、「日本を世界初の完全自動走行の社会にしたい」と語った。
実証実験は約3キロメートルの幹線道路で約50人の住民をロボットタクシーで移送。大手スーパーと連携し、買い物支援を行う。
車内には自動走行車の操作を熟知した運転者とオペレーターの2人が乗車する。基本的に自動運転で走行するが緊急時は運転者が危険を回避するという。
完全自動走行のプロジェクトは、神奈川県だけでなく、仙台市や名古屋市でも今年度に実施する。仙台市では被災地の道路や小学校校庭内で実証実験を行う。
自動運転技術は、米グーグルや米アップルなどのIT企業が積極的に取り組んでいる。小泉内閣府政務官は「(これまでの)自動車業界の横並びの取り組みではなく、国がさまざまな業種が参入しやすい競争環境を作った上で政策を進めていきたい」と語った。
完全自動走行には道路交通法の改正が必要となっており、政府は規制緩和を進める方針だ。