【アトランタ=西村利也】米アトランタで開かれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は2日(日本時間3日)、3日目の協議を開いた。残る難題である知的財産の新薬データ保護期間について、米国やオーストラリアなどの関係国で協議を進め、妥結点を探る。交渉は、3日に予定されている交渉参加12カ国の記者会見の直前まで、断続的に続けられる見通しだ。
甘利明TPP担当相は、全体会合前、記者団に対し、交渉の焦点のひとつだった自動車分野について、「大きな前進を得た。(妥結まで)あと一歩の所まできていると思う」と述べ、大きな成果があったことを強調した。
また、最も難航する知的財産の進捗(しんちょく)状況については、「非常に難しい課題が残っているが、関係国で最大の工夫がなされている。間合いは狭まりつつある」と、わずかながら進展があったことを説明。乳製品については「日本、カナダ、メキシコについては、ほぼ着地点が見えてきている。課題はニュージーランドと米国の関係だ」との認識を示した。
交渉参加12カ国は、当初1日までの予定だった閣僚会合の日程を2日まで延長することを決定。交渉筋によると、交渉は3日未明にかけて、12カ国の閣僚による全体会合に加え、2国間の協議や事務折衝を断続的に行われるとみられる。大筋合意に向けた厳しい駆け引きが、交渉終盤まで続けられる見通しだ。