【アトランタ=小雲規生】TPP交渉の閣僚会合で、米国とオーストラリアが知的財産の新薬データ保護期間をめぐり最後の着地点を探っている。しかし、両国の食い違いは完全には解消しておらず、豪州側に立つ新興国も強硬姿勢を崩していない。一方、乳製品の市場開放では一部で前進もみられるが、強硬派のニュージーランドは“沈黙”を貫く。米国との協議は行われていないといい、交渉の不安材料となっている。
米メディアによると、米通商代表部(USTR)のフロマン代表と豪州のロブ貿易・投資相は2日、閣僚全体会合の直前に協議した。話し合いは長時間におよんだとみられ、午後6時半開始予定だった閣僚会合は約2時間ずれ込んだ。
しかし両国の溝は協議で埋まらなかった。甘利明TPP担当相は閣僚会合後の記者会見で「両国は苦闘している」と述べた。
また、より短いデータ保護期間を求めるチリやペルー、マレーシアなども、米国との隔たりを残しているもようだ。米国や豪州などは2日深夜から3日未明にかけても夜通しの協議を続け決着に持ち込む考えだ。