与党は17日、北陸新幹線で未着工となっている福井県敦賀市以西の延伸について、同県小浜市から南下し京都経由で新大阪に至る「小浜京都ルート」とする方針を固めた。利便性や投資効果など新幹線の着工条件で最も優れていると判断した。12月下旬の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT、座長・茂木敏充自民党政調会長)で最終決定し、政府・与党で合意する見通しだ。
与党は早期着工に向け、平成29年度予算案に延伸周辺地域の環境影響評価や詳細な設計のための費用を前年度比で2倍程度盛り込みたい考えだ。
敦賀以西の延伸ルートをめぐっては、「小浜京都ルート」のほか、米原駅(滋賀県)で東海道新幹線につなぐ「米原ルート」と、小浜付近から舞鶴市(京都府)を経由して新大阪に至る「小浜舞鶴ルート」の3案に絞り、与党PTやその下部組織の敦賀・大阪間整備検討委員会で検討を進めている。
国土交通省が今月11日に公表した3ルートの試算では、小浜京都ルートは建設費が約2兆700億円で、約6000億円の米原ルートよりも膨らむ。ただ、経済的な便益を建設費などの総費用で割った「費用対効果」は1.1で採算のめど(1.0以上)があり、所要時間も最短。運賃が安く、「国民の理解を得やすい」(政府関係者)ことが決め手になった。