27日からRCEP事務レベル会合 TPP絶望でアジア標準も (2/3ページ)

 今回の交渉は、このほか電子商取引や通関の円滑化などを含む残り13分野全てを協議するが、いずれも合意には至らない見通しだ。

 一方、議論の鍵を握るのが、域内最大の経済規模を持つ中国の存在だ。アジアで覇権主義的な傾向を強める中、「RCEPを早期に妥結し、アジア太平洋や世界経済の原動力にすべきだ」(中国外務省)と交渉を主導する構えをみせる。

 中国は国有企業の独占や外国企業への介入を許さない透明な貿易ルールの導入に慎重だ。域内の中核を担うASEANも、タイなど新興国とカンボジアなど発展途上国との間で経済格差が大きく、発展度合いに応じた緩やかな協定を目指す。

 これに対し、日本は域内で活動する日系企業の活動を円滑にするためにも、TPPの合意内容を交渉の座標軸に据えて高いレベルの自由化を実現したい構え。交渉では「中国にだまされないように目を光らせる」(通商筋)のが役割だ。

 とはいえ、米国のTPP離脱により、日米でアジア太平洋の貿易秩序を築き、中国包囲網を張る日本の戦略は行き詰まった。「米国第一」を掲げるトランプ政権の影響で保護主義が広がれば、世界経済の縮小均衡を招きかねない。日本はRCEPの大筋合意を急ぎ、多国間協定の意義を訴える必要にも迫られている。

 折しも今年はASEAN創設50年の節目だ。域内では「交渉を長引かせる余裕はない。17年内に妥結させねばならない」(インドネシアのエンガルティアスト・ルキタ貿易相)と早期合意の機運が高まっている。