「まだお酒が入っているのに…」銀座のママが空いていないグラスにもお酌する“納得の理由”

    PRESIDENT Online

    お酌をすることで孤立状態から救い出すことができる

    会話のバランスをいち早く察知して話に入れずに蚊帳の外にいる人に話を向ける。こうした目配りは、お酒の席での“ある行為”に通じるものがあるように思います。そのある行為とは何か。グラスが空いている人がいたら、「まあ、一杯」とお酒を注ぐ--お酌です。

    やれお酒の強要だ、女性蔑視だ、パワハラだと、何かと否定的に見られがちな日本のお酌文化ですが、本来のお酌には、こうした周囲への気配り、目配りを欠かさないという日本人のよき伝統とメンタリティが込められていると思うのです。

    例えば、立食パーティーなどで周囲の話に入れず、ぽつねんと立ち尽くしている人に、「○○さん。グラス空いてるじゃないですか」とお酒を注ぎながら声をかけることで、孤立状態から救い出すことだってできます。

    お酒を注ぐこと以上に、話に入る糸口をもたらすのがお酌の役割でもあるのです。テーブルで会話から外れてしまったお客さまがいらっしゃったときは、すかさず「お酒、おつくりしましょうか」--私たちはそう心がけています。たとえまだグラスが空いていなくても声をかけます。そうすることが、そのお客さまを会話の流れに呼び戻すキッカケになるからです。

    もちろんセクハラもパワハラも許されませんが、孤立しそうな人への気遣いという意味での「本来のお酌」の心得には、社会人として学ぶべきものがあると思うのです。

    お客さんの名前を忘れたときにどうすればいいか

    名前はその人にとって特別なもので、人は名前を呼ばれると「認められた」と感じて気分がよくなります。

    ただ、その名前がどうしても思い出せない、街でばったり会って「久しぶり」と声をかけられても、その人の名前が出てこない。親しげに話しかけられて仕方なく、名前がわからないまま探りながら、あいまいな会話でごまかして冷や汗をかいた--こうした経験は誰にでもあると思います。

    「クラブ由美」のお客さまにも、目の前の商談相手の名前が出てこなくて難儀した、部下の名前を間違えてがっかりされたといったエピソードをお持ちの方が少なくありません。私は仕事柄、名前を覚えることがおもてなしのひとつとの思いで、かつては3000人のお客さまのお顔とお名前、1500件余りの電話番号を記憶していました。

    今も名前を忘れてまったく出てこないということはないのですが、それでも一瞬「あれ?」となることはたまにあります。名前が出てこないと、もう会話どころではなくなってしまいます。焦れば焦るほど記憶の扉は固く閉ざされてしまうもの。

    皮肉なことに、何とかやり過ごしてホッと安堵した途端、「あ、△△企画の○○さんだった!」と思い出しても後の祭り--。名前は、呼んでもらえると嬉しいけれど、逆に忘れられていることで受けるショックも大きいもの。名前を覚えてもらえないのは、「自分に興味がない」のだろうと思われ、相手を傷つけてしまいます。それでも出てこなくなるのが「ど忘れ」。

    こうした事態に遭遇したときには、どう対処するのがいいのでしょうか。


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