北海道百年記念塔の解体 再検討の余地はないのか

    北海道の鈴木直道知事
    北海道の鈴木直道知事

    地元住民への説明会なし

    今年1月21日に行われた定例会見。鈴木直道知事は「専門家、道民、道議会での議論を経て検討を重ねた結果、解体もやむを得ないと判断した」と記念塔に対する認識を語った。

    道の説明などによると、正式決定までに実施した「検討を重ねた」場面は、道民ワークショップ(3回で89人参加)▽大学の出前講座(2回で33人参加)▽住民アンケート(調査数885人)▽専門家ヒアリング―などがあたるという。

    鈴木知事は「地元住民などに道の考え方をできる限り丁寧に説明してきた」とも述べた。だが、会見の後日に行った道への取材によると「周辺町内会など地元住民を集めた説明会は開いていない」という。地元住民への「丁寧な説明」は、地元住民も参加するであろう道民ワークショップなどに含まれるとの見解だ。

    記念塔周辺には塔を題材に校章や校歌を制作した学校が複数あり、「解体は非常に残念」と受け止める関係者は少なくない。塔が北海道開拓の歴史と文化を紡ぐ重要な架け橋になっていることを挙げ「伝統ある校歌を子供たちが歌い続けてきた。それだけに寂しさもある」という声もあった。

    解体の正式決定後、いくつかの学校には道の担当者が直接訪れ、経緯の説明があったという。ある関係者は「解体協議中の説明は一切なく、決定を受け入れるしかなかった」と語る。


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