(11)「福島第1原発は地震で壊れたのではない」と会社側 に戻る
《勝俣会長は、アリーナ席右側の男性株主を指名した》
男性株主「福島第1原発事故以外にも多額の賠償で株主も損害を被った。しかし、この事故の責任は東電よりも政府、国にあると思う。1966年に福島原発の安全対策も含めて国に申請して、政府は許可を出した。それで初めて建設できた。津波については6・5メートルまでと想定して防波堤を計画したと聞いているが、これで政府は安全面で心配はないとして許可した。6・5メートルの想定では安全面で不十分で許可しないとかあれば、事故はなかったわけです。政府が安全審査を緩やかにしたからこういう事故が起こった」
「過去の津波についてみてみると、1854年の安政南海地震では15メートルの津波があった。1896年の明治三陸地震では、現在の大船渡市で38・2メートルと今回に匹敵するような津波が起きている。1923年の関東大震災では熱海で12メートルの津波があった。1944年の東南海地震では熊野灘で8メートルの津波があった。こういうように6・5メートルの防波堤を上回る津波が何度も起きている」
「それなのに6・5メートルでいいんだと政府は許可した。さらに驚くべきことは、福島原発建設の後、1993年に奥尻島で16・8メートルの津波があった。それなのに、政府は津波対策の見直しを東電に命じなかった。こういう点を根拠に、政府に責任があるんだから、損害賠償を全て政府に負担するように抗議してもらえないか」