【開発物語】人気後押し復活 5代目はHV車
日本を代表する高級車ブランドである日産自動車の「シーマ」が、ハイブリッド車(HV)となって帰ってきた。バブル景気まっただ中の1988年に発売された初代は「シーマ現象」という言葉を生み出し一世を風靡(ふうび)したが、その後の高級セダン市場の縮小に伴い、2010年8月に生産停止を余儀なくされた。だが、既存ユーザーを中心にした根強い人気に押され、HV専用車として、再び「Nissan」ブランドのフラッグシップ(旗艦車種)に返り咲いた。開発の裏には「シーマを再び走らせたい」という技術陣や生産現場の熱い思いがあった。
「この企画の車台を使えば、シーマを復活できるんじゃないか」
日産の高級車事業を担当するインフィニティ事業部。ここに、中国で導入が計画された「インフィニティM」(日本名・フーガ)のロングホイールベースの企画書が持ち込まれた。
歴代のシーマを担当した笹岡正吾チーフ・プロダクト・スペシャリストの問いかけに、商品戦略や企画を担当する内田理恵さんも、「いけますね」と応えた。シーマの生産が終了した直後、10年10月のことだった。
シーマの生産停止が決まってからインフィニティ事業部は、シーマの既存ユーザーや、販売店から「なぜシーマをやめたのか」と、厳しい突き上げを食らっていた。