■日本の道に合う足回り、静粛性実現
≪TEAM≫
5代目シーマの開発責任者、長谷川聡さんは、実はシーマのような後輪駆動(FR)車ではなく、もともとは前輪駆動(FF)車の開発が専門だった。ミニバン「ラフェスタ」「セレナ」や小型車「キューブ」などの開発チームでキャリアを積んだ。
それが、FR車でのハイブリッド車(HV)化プロジェクトがスタートし、その第1号である「フーガ」の開発チームに引き抜かれ、フーガ、そして5代目シーマの開発責任者となった。開発にあたって、シーマが日本専用車となるだけに、特にFF開発時代にサスペンションなど足回り機構で培った静粛性や、日本の道での足回りのよさを目指した。
長谷川さんをサポートしたのは、車両運動性能開発グループの下村洋輔さんと、音響性能グループの宮下勝利さんだ。ともに入社10年目。
下村さんは欧州高級車や日産の海外供給ブランド「インフィニティ」とは異なる日本向けの足回りを意識したという。欧州を意識するとアウトバーンを時速250キロで走行することを前提に、しっかりとした足回りをつくるが、日本は140キロ以上は想定しづらく、一般道の走行が多い。このため「同じような堅い足回りは不向き」と柔らかさを出すセッティングに腐心した。
バランスの難しさで、行き詰まったときは、テクニカルセンターに入っているスターバックスで、コーヒーを飲みながら気分転換を図った。