それまで、日本コカ・コーラはブレンド茶「爽健美茶」がブレンド茶カテゴリーでナンバーワンだったものの、市場規模の大きい緑茶飲料では、商品を投入するも看板商品にまで育成できていなかった。「ペットボトル入り緑茶飲料で斬新な商品を打ち出そう」。06年春、マーケティング、R&Dセンターによる新規プロジェクトがいよいよ動き出した。
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マーケティングチームはまず、茶葉を知るために京都へ向かった。老舗茶舗やお茶にまつわる資料館などを訪問し、大量生産するペットボトル入り緑茶飲料のイメージと重ね合わせた。
ちょうど同じころ、R&Dセンターではにごりの研究が急ピッチで進む。透明の緑茶からにごりのある緑茶まで何パターンも試飲して改良を加えていく。試行錯誤するうち、風味豊かで安定性のあるにごりには「抹茶」を使うのがベストの選択肢であることに、メンバーたちは気付き始めた。
夏も近づくころ、マーケティングチームはある老舗茶舗にたどり着く。「上林春松本店」だ。飲料メーカー社員という身分を隠して、上林春松本店の歴史を紹介している記念館を見学した。ここでは、それまで将軍家御用達だった同家が幕末を見据えて大衆向け商品を開発したなどの歴史を紹介。伝統を重んじながらも常に新時代を先取り、適応しながら現在まで続く同家の歴史にひかれたという。