--具体的なCO2削減量の試算は
「逆転生産プロセスでの試算はまだできていないのですが、高バイオマス量サトウキビから砂糖とエタノールを生産した場合の試算はあります。従来と比べて、畑1ヘクタール当たりのCO2排出量の削減効果は年間40トンです」
--逆転生産プロセスを使っての夢は
「砂漠やこれから砂漠化しそうな地域など条件の悪い土地でも原料をたくさん取れるようにして、逆転生産プロセスを入れたい。どこでも同じようにできるようになれば、砂漠化を食い止める緑化をしながら、産業を育んでいくことができます。世界人口が増え続ける中で、食糧やエネルギーが足りなくなってくるわけですから、条件の悪い地域で逆転生産プロセスを導入し、これまでサトウキビを植えていた条件の良い土地は他の作物に譲っていく。それが夢ですね」
(インタビューの詳細は月刊ビジネスアイENECO5月号に掲載)
【プロフィール】小原 聡(おはら・さとし) 1972年大分県生まれ。東大大学院修士課程(工学系研究科化学システム工学専攻)修了。99年アサヒビール入社し、排水処理研究を担当。2001年よりバイオエタノールの研究開発に従事し、12年より現職。工学博士。40歳。
砂糖・エタノール逆転生産プロセス サトウキビの搾汁には砂糖になるショ糖と、砂糖製造を阻害する還元糖が含まれる。逆転生産プロセスは特殊な酵母(ショ糖非資化性酵母)を利用して還元糖だけをエタノールに変換した後、砂糖を高効率に製造する。「砂糖製造⇒エタノール製造」という順序を世界で初めて逆転させた画期的な生産プロセスで、温室効果ガス排出削減にも効果的であることを確認している。