海水や海砂を使う高強度コンクリートの開発に成功した大林組の金井誠副社長=東京都清瀬市の同社技術研究所【拡大】
折しも政府は2013年度予算に884億円を計上し、公共施設の耐震化や津波対策を加速させる計画を立てている。金井は新技術を、まずは被災地の復興や安全対策に役立てたいと願い、関係省庁や自治体に積極的に働きかけていく考えだ。
さらに、洋上風力発電施設など、真水を使うのが難しい場所でコンクリートを製造する技術としてもアピールしていく。
実際、沿岸部に作ることが多い飛行場施設に最適な技術だとして海外の軍事産業の関係者から引き合いも来ているという。
冷ややかだった社内の雰囲気は一変し、プロジェクトは大林組挙げての取り組みに昇格する。施工案件の拡大に向け、社内のさまざまな部署の担当者が駆け回る。
開発成果を公表する前、金井は当時の土木学会会長だった岡山大学の阪田憲次名誉教授などコンクリート研究の重鎮14人に客観的な分析を求めた。