結果、取り出し口に近い3分の1の飲料を冷風で冷やす「ゾーン冷却」型が一般化している。残りの部分は飲料が常温のままだ。
山崎が導き出した答えは「かつてのように飲料全体を冷やす」という逆転の発想だった。全体を冷やし、冷えた飲料を“保冷剤”代わりにし、自販機全体を断熱材でくるめば、冷却停止時間を延ばせるはずだ。
技術的な可能性を追求し、新しい自販機を生み出さなければ「業界がもたない」(山崎シニアエンジニア)。メーカーの説得に3週間かかったが、ようやくシミュレーション作業にこぎつけた。
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検証の結果、従来のウレタン素材の10倍の断熱性能を持つ「真空断熱材」を使えば、外気温の影響を受けにくくなることが分かった。取り出し口のある前面ドア側から冷気の大部分が逃げるため、特に扉の気密性を高めることができれば大幅な節電が実現できる。