大谷統括部長は山崎シニアエンジニアの話を聞き、「輪番制はタイマー設定など、機器にも人にもかなりの負荷がかかる。社会要請がさらに強くなったとき、さらなる対応は難しい。だから、新機種の開発をやるべきだ」と判断。11年8月に正式に開発計画が始動した。
プロジェクト名は「アポロ」。山崎シニアエンジニアが名付け親で、前人未到の月面着陸を成し遂げたアポロ計画になぞらえた。2カ月後の社内会議でダニエル・セイヤー社長(当時)も「絶対にその方向が正しい」と追認した。
開発では、自販機の内部や飲料を32度にしてから8時間冷却し、冷却停止から16時間後に取り出した飲料の温度が5度であることを目標に設定。実験を繰り返し、真空断熱材の位置と量を決めた。前面ドアの気密性を高めるため、ドアと飲料収納エリアの間にある裏蓋を、ちょうつがいによる開閉式からはめ込み型へ変更。飲料の取り出し口も改良した。