大手自動車メーカーなど13社と複数の大学が参加するプロジェクトでは、空気の渦を0.5ミリサイズまで再現。車線変更や車同士が擦れ違う際の複雑な空気の流れも解析できた。
北海道大大学院の坪倉誠准教授は「これまで1年かかった計算が1日で処理できた。通常の実験では測りきれない現実の不規則な動きを捉えられる」と舌を巻く。
防災の分野では海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)が南海トラフ巨大地震の被害予測を進める。
高知市をモデルにしたシミュレーションでは、10万人の市民がどのようなルートで津波から避難していくかを立体地図上に表した。
高台への最短ルートや効率の良い避難誘導の在り方が研究されている。従来は1週間以上かかった計算が最短で数時間に短縮。数年以内には5分に短縮し、地震発生と同時に最適な避難経路を知らせる仕組み作りを目指す。