山形カシオが発売した水中通話ができるトランシーバー「ロゴシーズ」【拡大】
世の中にない製品だけに開発は手探り。鈴木氏と平氏は連日、隣町の天童市のダイビングプールを訪れ、市販のマイクをいくつも水中で試した。だが、マイクに水圧がかかって、空気の振動をうまく拾えない。そんな中で着目したのが、騒音の激しい工事現場で使われる骨伝導マイクだ。骨から声の振動を拾うもので、「水中でも音が聞こえ、ようやくメドがついた」(鈴木氏)。
スピーカーも骨伝導式を採用したが、頭部のどの場所に近付けると音が聞こえやすいかなど、試行錯誤を重ねた。形状もマイクとスピーカーを一体化した設計にして、水中マスクのストラップに装着できるようにした。
ダイビング中に呼吸音などのノイズが入り、音声が聞き取りにくいという課題もあった。だが、音声認識に詳しい山形大大学院の小坂哲夫教授の協力を得て、聞き取りやすい音声へのデジタル処理を施した。
開発スタートから3年後の24年夏、量産化に向けた試作機が完成。25年1月に発売した。「ロゴシーズ」の商品名は、聖書の「はじめに言葉(ロゴス)ありき」から名付けた。