「水中で会話」山形カシオの挑戦 国内製造拠点を守るアイデア探し (1/5ページ)

2013.12.5 06:40

山形カシオが発売した水中通話ができるトランシーバー「ロゴシーズ」

山形カシオが発売した水中通話ができるトランシーバー「ロゴシーズ」【拡大】

 カシオ計算機の子会社、山形カシオ(山形県東根市)が発売した、水中で会話できるトランシーバー(無線機)「ロゴシーズ」。従来なかったコンパクトさと手ごろな価格からスキューバダイビング愛好家のほか、海や川で救難活動にあたるレスキュー隊員らの支持も集めている。画期的な製品を生み出すきっかけは、国内製造拠点を守ろうと新事業開拓に携わった社員の生活体験だった。

 製品開発の話が持ち上がったのは平成21年5月。基板に電子部品を搭載する産業用機器の販売が低迷し、6月に事業撤退することが決まっていた。

 事業に携わる社員は約50人。「このままでは仕事がなくなる。何か新しい事業を始めなくては」。エンジニアの鈴木隆司氏(現山形カシオマリンシステム課課長)は上司の鈴木康平常務とアイデア探しにとりかかった。

 山形カシオはカシオ計算機の国内唯一の製造拠点だ。高価格帯の腕時計などを生産し、「マザー工場」の役割を担う。同時に他社からの受託生産なども手がける。従来型携帯電話が好調なころは部品生産で人手が足りないほどだったが、海外製のスマートフォン(高機能携帯電話)が普及する中、稼働率は落ちていた。

「大企業ばかりで戦うのは難しい」と実感した

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