体制強化急ぐ野村
三菱モルガンの躍進は、国境をまたぐ大型買収を多く手がけたことが要因だ。今年最大の案件となった半導体製造装置で世界3位の東京エレクトロンと首位の米アプライドマテリアルズの経営統合や、住宅設備国内最大手LIXIL(リクシル)グループ傘下のリクシルによる独グローエの買収などで助言業務を獲得したことが寄与した。
三菱モルガンは10年5月、メガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)と、米金融大手モルガン・スタンレーが共同出資して設立された。
三菱UFJFGの狙いは、傘下の国内証券業務を統合し、投資銀行業務を強化すること。助言業務を突破口にM&Aに使う資金の一部を傘下の銀行がつなぎ融資するなど、グループのネットワークを生かしたさまざまな波及効果への期待もあった。