海外に成長可能性
足元では、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による急激な円安が進んでいるが、日本企業のM&Aへの意欲はむしろ高まる。日本の人口減少で、「内需縮小は不可避という強い危機感を持つ企業が海外企業買収に成長の可能性を見いだしている」(大手証券)からだ。
円安が定着しても、M&Aの増加傾向は当面続くとの見方が市場には強い。野村証券などによると、10年以降の年間M&A総額のうち、日本企業が海外企業を買うケースは30~50%程度で推移、「M&A全体を押し上げている」(市場関係者)。
一方、政府は成長戦略の一環として、20年までに対内直接投資残高を現在の2倍の35兆円に増やす目標を掲げる。外国勢が国内企業への投資を増やせば、雇用の拡大などが期待できる。M&A助言業務をめぐる競争激化は、14年の日本経済に活力をもたらしそうだ。(佐藤裕介)