商用車メーカーのいすゞ自動車は25日、東大発バイオベンチャーのユーグレナと組み、藻類と動物の性質を併せ持つ単細胞生物「ミドリムシ」を使った自動車用バイオディーゼル燃料の実用化に向けた共同研究を始めると発表した。第1弾として、いすゞの藤沢工場(神奈川県藤沢市)で、従業員の送迎バスをミドリムシが原料のバイオデューゼル燃料を使って定期運行する。
バイオディーゼルは大豆などの油脂から作る軽油の代替燃料。ミドリムシを原料にしても品質的には変わらないが、耕作地が要らないため国土の狭い日本でも安定的な生産が可能だ。ミドリムシの大量培養技術を持つユーグレナが1年前から開発に取り組んできた。
現在流通しているバイオディーゼル燃料は変質してエンジンを傷める恐れがあり、軽油に5%までしか混ぜられない。実証試験も当初は含有率1%から開始。送迎バスが不具合を起こさないか見極めながら研究を進め、2018年までに軽油からバイオディーゼル燃料に置き換える計画だ。
いすゞの細井行社長は「資源のない日本では燃料を多様化する取り組みが重要だ。社会の要請にこたえたい」と話した。