原位置浄化技術による土壌汚染対策工事の様子【拡大】
3月12日に東証マザーズ上場を果たしたエンバイオ・ホールディングス(HD)。成長の原動力となっているのは、中核子会社のアイ・エス・ソリューションが手がける土壌汚染浄化ビジネスだ。有害物質による土壌汚染が深刻化するなか、同社が得意とする「原位置浄化技術」は日本だけでなく、中国にも活躍の場を広げつつある。
少ないデメリット
土壌汚染浄化技術には大きく分けて2通りある。一つは、汚染された土を掘り起こし処分場などへ運搬する掘削除去技術。もう一つが、汚染された土壌に薬剤などを注入して分解する原位置浄化技術だ。エンバイオHDは、後者で業界をリードしてきた。
掘削除去は、有害物質の中でも重金属類への対応に適している。これに対し同社の技術は、主にベンゼンやテトラクロロエチレンといった有機化合物を分解するもので、ガソリンスタンド跡地やクリーニング工場の浄化に威力を発揮している。具体的には、地中にパイプを通し、薬剤の過酸化水素や触媒の鉄イオンをポンプで注入することで酸化反応を起こし、有害物質を無害な水と二酸化炭素(CO2)に分解している。