「YS-11」近代航空機の礎に 戦勝国にたたきつぶされた日本の航空産業 (3/4ページ)

2014.8.14 10:00

飛行する「YS-11」(三菱重工業提供)

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 だが、空白期間の影響は大きく、搭乗したパイロットからは「氷の上を滑るような感じ」「舵(かじ)の効きがグサグサ」などといった悪評が続出。日航製元エンジニアの山之内憲夫氏(74)は「技術屋がパイロットの言葉を理解できないことが大問題だった」と振り返る。

 山之内氏はパイロットと技術者の溝を埋めようと、自らテストパイロットの資格を取得した。

 そんな中、「小舵(こかじ)の効きが悪い」といわれた補助翼の問題を独自の空力センスで解決したのは、第二次世界大戦中に海軍航空技術廠(しょう)で数々の戦闘機の開発に携わり、当時東大教授だった山名正夫氏だ。山之内氏は「戦前の第一線の活躍者がいたことで、彼らの経験を受け継げたことは大きかった」と語る。

 東条氏も横滑りの問題を解決するために主翼の上反角を2度上げることを決断。世代を超えた技術者たちが知恵を結集した。伊藤氏も「(海外企業の)ライセンス生産で得たノウハウを生かして仕事を進めた。近代航空機の礎になるような仕事だった」と語る。

YS-11には「外貨を稼ぐ」という戦後日本のミッションも課されていた

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