資生堂の新ブランド「プリオール」の発表会。女優の宮本信子さん(左)と原田美枝子さんがアピールした=11日、東京・銀座【拡大】
化粧品各社が、国内市場で購買額の半分近くを占める中高齢層を取り込む戦略を深化させている。資生堂は50代以上を主なターゲットとする新ブランド「プリオール」を2015年1月に立ち上げ、再挑戦。先行する花王は50代向けのベースメークブランドの新製品を今月投入した。一方、コーセーは保湿など顧客ニーズに合わせたラインアップの充実を図るなど、50代以上の争奪戦が過熱している。
「資生堂として退路を断ち、シニア市場にチャレンジする」。プリオールを担当する石川由紀子ブランドマネージャーは都内で11日に開かれた発表会でこう強調した。
中高齢層向けでは従来、30代向けのブランド「エリクシール」から派生したスキンケア商品を扱ってきた。プリオールは口紅や化粧水、シャンプーまでをそろえた25年ぶりの中高齢層向け「総合ブランド」になる。
化粧下地やファンデーションを兼ねる「美つやBBジェルクリーム」(市場想定価格3240円)は、つやを肌に持たせてシミやくすみをカバーする。主流の「抗加齢」をあえて打ち出さず、「加齢という変化に上手に順応する」(石川氏)ことを重視したという。