「物価目標2%」黒田日銀総裁、原油安でも強気 ルーブル暴落には楽観的 (1/2ページ)

2014.12.19 23:06

記者会見する日銀の黒田総裁=19日午後、日銀本店

記者会見する日銀の黒田総裁=19日午後、日銀本店【拡大】

 日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後の記者会見で、原油安などの影響があるものの「平成27年度を中心とする期間に(2%の物価上昇)目標に達するという見通しに変わりはない」と改めて自信を示した。ただ、10月31日の追加の金融緩和後には原油価格の急落など、世界経済をめぐる状況は大きく変化した。黒田総裁の発言から“強気”の背景を探る。

 《原油安は、短期的には物価の押し下げ要因だが長い目でみれば物価を押し上げる。2%の物価目標が達成される可能性は高い》

 10月末の追加緩和の背景には、原油安でデフレ意識の転換が遅れることを防ぐ狙いがある。だが、1バレル=80ドルだったドバイ原油価格は、一時55ドルにまで下落した。SMBC日興証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「足元の期待インフレ率は0.7%まで低下。追加緩和前の0.81%を下回り、緩和効果が完全に消滅し、さらに下振れしている」と、原油安が物価目標達成の障害になっていると指摘した。

 ただ、黒田総裁は原油安が家計や企業の負担軽減になり、プラス面の効果も出ると指摘。「前年比でみた(原油安の)物価への影響は、いずれ剥落していく」と主張した。黒田総裁の強気の背景の一つが、いまも続く円安水準だ。

 《円安で景況感は良好だ》

 10月末に決めた追加の金融緩和前に1ドル=109円台だった為替相場は、12月上旬に121円台後半をつけ、1カ月で約10円下落した。為替差益による企業収益の押し上げ効果や、株価上昇などのプラス効果も強く出ている。黒田総裁は「収益、事業計画もしっかりしてきた」とし、“緩和効果”をアピールした。

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