記者会見する日銀の黒田総裁=19日午後、日銀本店【拡大】
《物価上昇率は、原油、為替、何よりも重要な賃金の動向にも左右される。もう少し様子をみてみないといけない》
ただ、今後も2%の物価上昇が持続するかはまだ不透明だ。安定的な成長のカギとなるのは物価上昇に応じた賃金改善だ。
政府と経済界、労働界による「政労使会議」は16日、27年春闘での賃上げに最大限努力するとの合意文書をまとめ、2年連続の賃上げに期待が高まる。
黒田総裁は「賃金だけ上がって物価が上がらない。または、物価だけ上がって賃金が上がらない状況では、物価目標が長続きしない。賃金が持続的に上昇していくことが必要だ」と、経済界の協力を求めた。
《物価目標達成のリスク要因は、新興国、資源国経済の動向、欧州における債務問題などがある》
一方で世界経済ではさまざまなリスク要因が広がりつつある。ロシア経済の屋台骨を支える原油価格の下落で、通貨ルーブルは一時1ドル=80ルーブル台に暴落した。
黒田総裁は、ロシアとの貿易や投資の取引が小さいため「日本経済への直接的な影響はあまりない」とやや楽観的な見方を示した。ただ、今後の金融政策に関しては、原油安や円相場といった要因も「十分勘案して適切な対応をしていく」とし、物価目標の達成が困難になれば、さらなる追加緩和を排除しない考えも示した。(飯田耕司)