アルマを構成する66台のアンテナのうち、日本は16台を担当している。内訳は主鏡の口径が12メートルのアンテナが4台、7メートルが12台。これらのすべてを三菱電機が製造した。同社は過去に、ハワイ島のマウナケア山頂にある反射式望遠鏡「すばる」や、野辺山宇宙電波観測所(長野県南牧村)の電波望遠鏡など、数々の重要プロジェクトを手がけた実績がある。
「でも今回は過去に直面したことがない難題が待ち受けていた」。プロジェクトを指揮したインフラ情報システム部の大島丈治望遠鏡プロジェクト部長はそう振り返る。
むしろ大変だったのは、小さいアンテナの方だった。なぜなら、骨組みの素材に鉄を採用しているからだ。
ふつう、サブミリ波をとらえる電波望遠鏡には鉄の骨組みを使わない。鉄は温度変化などに弱く、ゆがみやすいからだ。ゆがめばそれだけ観測精度は落ちる。このため、欧米のアンテナや口径12メートルのアンテナは、軽くて強度に優れ、かつゆがみにくい炭素繊維強化プラスチックを用いている。7メートルのアンテナだけ鉄を採用したのは、予算の制約があったからだ。