大島プロジェクト部長は「欧米の人々には神業だ!と驚かれた」と、してやったりの表情を浮かべる。
原動力は使命感 技術で妥協しない
日本のアンテナは、骨組みだけでなく、マウントと呼ぶ架台も鉄製だ。架台が温度変化などでゆがめば、やはりアンテナを特定の星に向ける際に不都合を生じかねない。
ここでも同社は、架台が自らどのくらい動いたかをセンサーで測り、位置を補正する手法を開発し、難題を克服している。
一方、設置方法でも同社は独自の道を探った。
欧米のアンテナは、標高2900メートルの山麓にあるサポート施設に工場を設けて製造された。これに対し、同社は日本の工場で大半を製造し、船で45日間かけてチリまで運んだ。
運んだアンテナは3分割した完成形に近い状態。大島プロジェクト部長は「おかげで現地での組み立てが楽だった。かつて離島で衛星通信アンテナを組んだ経験が生きた」と強調する。対照的に、欧米勢は過酷な環境下で多くの作業を強いられ苦労したという。