経営権をめぐって揺れ動いた家具大手の大塚家具が2015年春闘で、正社員と嘱託を合わせた組合員約1600人を対象に賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の実施で労使が合意したことが2日、分かった。上げ幅は「非公表」としている。これまで能力給に基づく賃上げなどをしたケースはあるが、ベアは初めてという。
同社は3月27日の株主総会で創業家の長女の大塚久美子社長と、父で創業者の大塚勝久元会長が委任状争奪戦を繰り広げ、企業イメージが毀損(きそん)。社員の勤労意欲が下がらないように、業績低迷の下でも待遇を手厚くする必要があると判断した。上げ幅は「物価の上昇分などを勘案して決めた」としている。
同社の14年12月期決算は消費税増税後の消費低迷の影響もあり、4年ぶりの営業赤字に転落。足元でも3月の店舗売上高が前年同月比37.8%減と大きく落ち込んだ。前年の消費税増税前の駆け込み需要の反動に加え、騒動で客足が離れた面もあるとみられる。
久美子社長は2月に発表した中期経営計画で、顧客が気軽に入れる店作りや法人需要の開拓で業績回復を図る考えを表明。15年12月期は1億1000万円の営業黒字に転換するとしている。