ソフトバンクの決算会見で孫正義社長(左)から後継者候補に指名されたニケシュ・アローラ氏=5月11日、東京都中央区【拡大】
ソフトバンクの次期トップ候補に、昨年9月に同社のバイスチェアマンに就いたインド出身のニケシュ・アローラ氏(47)が孫正義社長から記者会見の席上で“電撃指名”され、業界内外に驚きの声が広がっている。孫氏が公の場で後継者候補を口にするのは1981年の日本ソフトバンク(現ソフトバンク)設立以来、初めてだからだ。米グーグルの上級副社長兼最高事業責任者(CBO)を務めるなど情報通信業界で輝かしい経歴を重ね、高収入を得ていたアローラ氏が孫社長の誘いを受け入れ、ソフトバンクに転身したのはなぜか。その背景を探った。
5月11日、東京都内で開いた決算会見で、孫氏はアローラ氏について「私より10歳若くて能力も人格も優れており、最重要な後継者候補であることは間違いない事実だ」とした上で、質問に対し「『実質的な後継者指名か』という問いの答えはイエスだ」と明言した。
米でも話題に
ソフトバンクで後継者問題は長年タブー視されてきた。証券アナリストや投資家などは「『ポスト孫』がソフトバンク最大の経営問題」と指摘し、危機感を持った孫氏自らも後継者を見いだそうと2010年7月に「ソフトバンクアカデミア」を開校。社内外を問わず人材の発掘に努めてきたものの、「アカデミアの中から後継者が出ることはないだろう」(同社幹部)といわれていた。