ソフトバンクの決算会見で孫正義社長(左)から後継者候補に指名されたニケシュ・アローラ氏=5月11日、東京都中央区【拡大】
年俸以外に多額オプションか
そんな孫氏にとって、アローラ氏が固辞したのは想定内だったに違いない。電話口で熱い夢を聞いたり、さまざまな相談を受けるうちに、IT業界で確固たる地位を築いていたアローラ氏も次第にほだされたことは容易に想像できる。とはいえ、巨額の収入を得ているアローラ氏が孫氏の熱弁だけに心を動かされたとは思えない。業界関係者は「孫氏はソフトバンクの経営権限や報酬などで相当の条件を示したのではないか」とみる。
一説によると、孫氏がアローラ氏に提示した年俸は約5億円。これが確かだとすると、伝えられているグーグル時代の報酬の10分の1にも満たないが、「普通ならかなりのオプションが用意されている」(証券アナリスト)とみられている。
14年9月にアローラ氏はソフトバンクのバイスチェアマンとともに、同社が米国に設立したソフトバンク・インターネット・アンド・メディア(SIMI、現SBグループUS)のCEOにも就任。わずか3カ月の間にSIMIで8件の買収や資本参加を決めた。相手企業は米国やインド、中国、東南アジアと世界各地にわたり、投資総額は2400億円に上った。ソフトバンク幹部も「入社試験としては出来過ぎ。無駄のない動きとリスクを洗い出す頭の良さは尋常じゃない」と舌を巻く。