ソフトバンクの決算会見で孫正義社長(左)から後継者候補に指名されたニケシュ・アローラ氏=5月11日、東京都中央区【拡大】
アローラ氏がソフトバンクに移るまで10年在籍したグーグルは、インターネット検索サービスで6割を超える世界シェアを占めるだけでなく、スマートフォンや装着型のウエアラブル端末、自動運転車まで事業領域を拡大し、世界で最も注目される企業の一つ。入社後わずか5年でグーグルのナンバー2といえる上級副社長兼CBOに上り詰めたアローラ氏の転身は米国でも話題となった。
ソフトバンクは当時、米携帯電話3位のスプリント・ネクステル(現スプリント)の買収に続き、同4位のTモバイルUSの買収に向けて米当局へのロビー活動を活発化させていた。孫氏が、グーグル入社前にアローラ氏がドイツテレコムの子会社、Tモバイル・ヨーロッパの最高マーケティング責任者(CMO)を務めたことを強く意識していたことは想像に難くない。アローラ氏を迎え入れたのは、TモバイルUS買収に向けた動きの一環とみられていたが「それよりも買収後の運営体制の布石として考えていた節がある」(ソフトバンクグループ幹部)という。
ソフトバンクによるTモバイルUS買収は米当局の強硬な反対で頓挫したものの、転んでもただでは起きないのが孫氏。アローラ氏の能力の高さを目の当たりにし、事実上の後継者に指名するに至った。