優れた経営者であることと、優れたクリエイターであることは両立させられるのか。その答えを、「妖怪ウォッチ」シリーズで快進撃を続けるゲーム会社、レベルファブを率いる日野晃博社長が明かした。キーワードは“帝王判断”だ。
千葉市美浜区の幕張メッセで9月に開かれた東京ゲームショウ2015で、「クリエイター兼経営者だからこそできたヒットコンテンツ創出」というテーマで講演した日野社長は、「経営とクリエイティブの両案件に対して、全責任を持って行える判断」のことを帝王判断だと定義した。
専横や独裁とは違う。企業経営者として全般を見通す目を持ちつつ、クリエイターとしてベストの判断を下していけるノウハウを、自身の経歴の上で積み重ねてきたことが、判断の土台あるからだ。「メインプログラマーをやり、ディレクターをやり、メインプランナー、プロデューサーもやった。絵がそれなりに描けて、そしてゲーム会社の社長になった」。各部署に通じていることが「強引なワンマン判断を可能にした」という。
2007年発売の「レイトン教授と不思議な町」から始まる「レイトン教授シリーズ」では、「ニンテンドーDSで脳トレがヒットしてライトユーザーがいる。それなら脳トレ+1を出せばいい」と考えた。ヒットさせることを最大の目標として企画し、最初は誰もプロジェクトに入りたがらなかったスタッフに中身を理解させ、企画を詰めていった。