郵政新体制、問われる変革力 矢継ぎ早の提携、金融2社に業績懸念 (3/3ページ)

2016.4.9 07:10

ファミリーマートとの提携について記者会見する日本郵政の長門正貢社長(右)=5日、東京都千代田区

ファミリーマートとの提携について記者会見する日本郵政の長門正貢社長(右)=5日、東京都千代田区【拡大】

 国際物流事業に期待

 一方、牽引(けんいん)役として期待されているのが国際物流事業だ。ファミマとの提携会見で、日本郵便の高橋亨社長は「提携関係にあるトールの力も借りたい」と海外配送の際に連携していく考えを示した。日本郵便は社外取締役と合わせて4人の取締役をトールに派遣するなどして国際物流事業を学ぶ。

 昨年12月末時点で約4700億円のトール買収ののれん代は、トールの資産再評価で縮小する可能性もあるが、償却完了までの20年間は日本郵便の経営に重くのしかかる。「国際物流の経験がない日本郵便はトールのやることに任せるしかない」(広兼氏)との見方もあり、買収の成果を手にできるかは未知数だ。

 西室泰三・前社長の病気療養に伴い、緊急避難的に登板した長門・日本郵政社長と池田憲人・ゆうちょ銀社長は民間出身だ。「上場しても郵政省時代と何も変わっていない。佐川急便やシャープを買収するとか思い切ったことをやれば良い」(自民党議員)との不満に、新経営陣はどう応えるのか。

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