ファミリーマートとの提携について記者会見する日本郵政の長門正貢社長(右)=5日、東京都千代田区【拡大】
国際物流事業に期待
一方、牽引(けんいん)役として期待されているのが国際物流事業だ。ファミマとの提携会見で、日本郵便の高橋亨社長は「提携関係にあるトールの力も借りたい」と海外配送の際に連携していく考えを示した。日本郵便は社外取締役と合わせて4人の取締役をトールに派遣するなどして国際物流事業を学ぶ。
昨年12月末時点で約4700億円のトール買収ののれん代は、トールの資産再評価で縮小する可能性もあるが、償却完了までの20年間は日本郵便の経営に重くのしかかる。「国際物流の経験がない日本郵便はトールのやることに任せるしかない」(広兼氏)との見方もあり、買収の成果を手にできるかは未知数だ。
西室泰三・前社長の病気療養に伴い、緊急避難的に登板した長門・日本郵政社長と池田憲人・ゆうちょ銀社長は民間出身だ。「上場しても郵政省時代と何も変わっていない。佐川急便やシャープを買収するとか思い切ったことをやれば良い」(自民党議員)との不満に、新経営陣はどう応えるのか。